日本むなしばなしシリーズ1 ももったろう    

case1

昔々ある所に、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行くのが日課でした。

その日もおじいさんはいつものように山へ柴刈りに行ったのですが、
近場の柴は既に取り尽くしてしまっていました。
「仕方ないのう。今日はもうちょっと遠くまで行ってみるか」
そうつぶやくとおじいさんはさらに山の奥深くまで入って行きました。

だんだん傾斜がきつくなる山を歩いていたその時、
なんとおじいさんは足を滑らせてしまいました。
「し、しもた~!」
一直線に斜面を転げ落ちていくおじいさん。
そのまま谷底を流れる川へとまっさかさま。

ザップ~ン。
なんとか一命は取り留めたおじいさん。
しかしピンチはまだ続きます。
「助けてくれ~! わしゃ泳げないんじゃ~!」
必死にもがきながらおじいさんがふと横に目をやると、
なんと目の前を大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れているではありませんか!
おじいさんはわらにもすがる思いでその桃にしがみつきました。

ところ変わってこちらは川で洗濯をしているおばあさん。
「さて、そろそろ帰ろうかねえ」
洗い物を終えたおばあさんが腰を上げたその時、上流の方から叫び声が聞こえてきました。
「おーい、ばあさんや、助けてくれー!」
「お、おじいさん!? ま、待ってください! 今助けますからね!」
おばあさんはおじいさんの手をつかみ、なんとかおじいさんを岸まで引き上げました。

「おじいさん、一体何をやっているんですか!」
「いやー、面目ない。少しばかり山奥へ入ったらうっかり足を滑らせてしまってのう」
「まったくもう! もう年なんですからあまり無茶はしないで下さいな」
「すまんすまん。これからは気をつけるから」
「でも無事で良かったですよ。怪我はありませんか?」
「うむ、大丈夫じゃ。今度ばかりはわしも本当に死ぬかと思ったが、運良く目の前に大きな桃が流れておってな。まったく、命拾いしたわい」
「あの桃は一体何だったんですか? あんなに大きな桃は見たことがありませんよ」
「さあのう。しかしあれだけ大きな桃じゃ。さぞ食いごたえがあったじゃろうなあ」
「役立たずのおじいさんなんか助けずにあの桃を拾い上げればよかったかしら」
「あっ! 言いおったな、ばあさんめ!」
「ふふふ、冗談ですよ、冗談。おじいさんは私の一番大切な人なんですから」
「ば、ばあさん・・・。わしは、わしは世界一の幸せもんじゃあ! ・・・ウッ、ウッ」
「さ、おじいさん、そろそろ帰りましょうか」
「そうじゃな。帰ろう」

こうしておじいさんとおばあさんはその後も幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。


case2

昔々ある所に、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行くのが日課でした。

おばあさんが川で洗濯をしていると、
川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れきて来ました。

「おお、これはなんと大きな桃じゃ!」
おばあさんは早速その桃を家に持って帰ろうとしました。
が、齢70を過ぎたおばあさんにとって桃は少々大き過ぎました。
「うーん・・・、だ、だめじゃ・・・」
結局おばあさんは桃を持ち上げることができず、
おばあさんの手を離れた桃ははるか彼方へと流れていってしまいましたとさ。


case3

昔々ある所に、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行くのが日課でした。

ある日おじいさんが柴刈りを終えて家でおばあさんの帰りを待っていると、
ものすごい勢いでおばあさんが家に駆け込んできました。

「見てください、おじいさん! 川ですごいもんを拾ってしもうた!」
「うおお!? なんとでかい桃じゃ! こりゃあ3日分の食料にはなるな! でかしたばあさん!!」
「どれ、早速味見でもしてみましょうか!」
「そうじゃのう! ささ、ばあさんや、ザックリいっとくれ!」
「分かってますよ。そんなに慌てないで」

そう言っておばあさんは棚から大きな包丁を取り出すと、
それを桃の中心めがけて思いっきり振り下ろしたのでした。

The End
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by sabasuke | 2006-10-26 03:21 | 雑記

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