河童と川流れ   

それでは昨日の話の続き。

ついに流れにのまれてしまった僕たち。
水深はどんどん深くなっていき、やがて底に足がつかなくなってきました。
水中に沈んでは川底を蹴り上げ、水面に顔を出して息を吸う。
そんなことを繰り返しながらしばらく流されていくと、
近くの岸に人影を発見しました。

それは釣りを楽しんでいた初老の男性でした。
「よかった! おっさん、早く助け・・・て、あれ?」
・・・いやいやいや、おっさんニコニコ笑いながらこっちを眺めてるよ!
違うって! これ遊んでるんじゃないんだって!
マジで流されてるんだって!

ダメだ! 早くおっさんにピンチだということを伝えなければ!
助かる道はここしかない! 頑張れ、僕!
「おーい、おっさーーーーん!」
その時、僕はおっさんが釣り糸を手に持ったままであることに気付きました。
そうか、このおっさんはずっとここで釣りをしていたんだ。
でも僕らが流れてきたもんだから、僕らに針が引っ掛かってしまわないよう、
わざわざ糸を陸に上げて僕らが通り過ぎるのを待っててくれたんだ。
しかも僕らのせいでおそらくこの辺の魚は全て逃げてしまったことだろう。
うわああぁぁ、僕はなんということをしてしまったんだ!
そして僕の口から出た言葉。

「邪魔してすいませーん!」

・・・うおおー、なに言ってんだ僕!
これじゃ助けを求めるどころか余裕をアピールしてるじゃねえか!
それどころじゃないだろ! 本気でヤバイだろ!

人間本当にパニックに陥ってる時はこんなもんです。
相手のことを気づかう発言をするなど一見余裕があるようですが、
本来ならここは助けを求める場面です。人を気づかっている場合ではありません。
やらなければいけないことが出来ない。それすなわちパニック。
つまり「助けを求める」という行為自体ある程度冷静でなければ出来ないんですね。

今この記事の中では、僕がおっさんの邪魔をしてしまって悪いと思ったから、
「すいませーん」という言葉を口走ってしまったかのように書いていますが、
実際に流されている時は当然そんなにあれこれ考えている余裕はなく、
状況を見てとっさに出てしまった言葉が「すいませーん」であっただけです。

話を戻しましょう。
結局おっさんが僕らを助けてくれることはありませんでした。
しかし運良く川が岸の方に向かって流れていたため、
僕らはなんとか自力で水から這い上がることが出来ました。
(友人Aは相当パニックになっていたのか、僕よりさらに100メ-トルほど先まで流された)

いやもうホントね、一歩間違ったら僕あの時死んでたよ。
無事生還した今だからこうして笑い話にもなるけれど。
これフィクションじゃないからね。本当に実際にあった話だからね。
水から上がった時の友人Aの第一声は「俺絶対死んだと思った」だったから。

とにかくみんな、自然の力をなめてはいかんですよ!
やつらは人間の想像をはるかに凌駕した力を持っています。
この一件で僕が学んだこと、
「水深が深いところには近づくな! 浅くても流れが速いところにはもっと近づくな!」
泳ぎが得意だからって余裕ぶっこいてちゃダメよ。そんな次元の問題じゃないから。

それでは皆さん、その辺にしっかり気をつけながら、どうぞ夏を満喫してください。
僕も夏の暑さを体中で感じながら家の中でゲーム三昧といこうと思います。
うーん、レッツ、不健康生活!
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by sabasuke | 2006-08-03 03:12 | 雑記

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