日本やや昔話   

むかーしむかし(十年ちょい前)のことじゃった。

「おーい、さばすけどん」

「なんじゃ? おっとう」

「じつはの、今度、家を新築しようと思うとるんじゃ」

「なんじゃって!?」

「この家もだいぶ古うなったからのう。このへんで1発どーんといこうかと思うてな」

「なにを言うとるんじゃ! やめいやめい! もったいないじゃろ。このままで十分じゃ!」

わしゃ家などというものは雨風がしのげればそれでええと思うとった。
広くて立派な家に住みたいなんてこれっぽっちも思うとらなんだ。
それどころか住み慣れた家がなくなることにさびしさを覚えておった。
じゃがわしの反対もむなしく、他の家族の圧倒的賛成多数で新築することが決まってしもうた。


それから一年の後、わしらの新しい家が完成した。
長い借家生活の間にわしの気持ちの整理もついておった。
そしてわしらは意気揚々と新しい家での生活をはじめたのじゃ。
その時わしは気付いてしもうた。

「おい、おっとう! わしの部屋が前よりもせまなっとるぞ! これはどういうことじゃ!?」

「それしかすぺーすがとれんかったんじゃ。仕方なかろう」

「納得いかん! わざわざ新築したのになんで前より住みごごち悪くなっとるんじゃ!」

「別にええじゃろが。おんしゃあ部屋がせまなったからちゅうて困ることも無かろうが」

わしゃそれを聞いて大いに納得してしもうた。
確かに困ることなんぞなんも無かったのじゃ。
だいたい自分の部屋があるなどということが贅沢なことではないか。
わしは素直にその部屋を受け入れた。
その部屋が異常に風通しの悪い欠陥部屋だったということに気付いたのは後のことじゃった。


わしらは今でもその家に住み続けておる。
床は傾いておるし、水は漏れるし、壁はへこんでおる。
返せる見込みのない借金を抱えて苦労の日々じゃ。
せめてもう少し利子が下がった時に借りればよかったものを。
すでに景気は悪くなってきてはいたが、まだ早すぎた。

なんとなくこうなる気はしておった。だからわしは新築に反対したのじゃ。
あの時素直に皆がわしの言うことを聞いておってくれたら・・・
いや、わしがもっと断固として反対を主張しておれば・・・
こんなことにはならなかったのかもしれんのう・・・。


しかしまあこんなことを考えておるとわしゃ思うんじゃ。
こんなに危機的状況なのになんでわしは働いとらんのじゃろうかと。
そして今日わしは一体何を言いたかったんじゃろうかと。
書き始めたのはいいがオチも何も考えとらんかった。
まあええわい。
とりあえずこの文は頭の中で常田富士男さんの朗読をイメージして読んでほしいのう。

なんだかんだ言っても、
おいしいおやつに ほかほかごはん
あったかいふとんで眠れるわしは幸せもんじゃのう。
ちなみに作曲は小林亜星氏じゃ。知っておったか?
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by sabasuke | 2006-06-25 03:15 | 雑記

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