姉歯
2006年 03月 29日
なんともいたたまれない、最悪の結末になってしまいました。
なぜこのようなことになってしまったのでしょうか。
そもそも耐震強度偽造など行わなければこんなことにもならなかったわけですから、姉歯元建築士をはじめ偽造にかかわった人物の責任であるかもしれません。しかしそれだけではないでしょう。
この問題を大きく取り上げたマスコミにも問題があるかもしれません。まして「姉歯氏の妻が病気でお金が必要」といったような報道がなされれば、偽造問題の責任の一端は奥さん自身にもあると、自らを責められるかもしれません。
またそうやってマスコミの扱いが大きくなるほど、奥さんに対する世間の目も厳しくなっていくでしょう。たとえ犯罪にはかかわっていなくても、犯罪者の身内というだけで責める人はいます。誹謗や中傷などもたくさん受けていたかもしれません。周りの視線や態度も奥さんを傷つけていたかもしれません。
だからといってマスコミに事件のことを報道するなとは言えません。世の中の出来事を国民に伝えるのは当然のことです。ではどこまで報道すればいいのか。その報道がどのような影響を与えるのか。それを見た人がどのような反応をするのか。どんな結果をもたらすのか。
また事件のことを知った人はどのような対応をとればいいのか。ただ不満があるからと文句を言っていればいいのか。関係のないところで無責任な発言をしていてもいいのか。
直接被害を受けた人はどうすればいいのか。ただ相手を責め立てるだけでいいのか。それで関係のない人まで傷つけてしまうかもしれない。だからといって文句の一つも言わずに泣き寝入ることなんて出来ないだろう。
今回のような事件、つまり罪を犯した人自身でなく、その周りの人が命を絶ってしまう、こういう事はしばしば耳にします。そのたびにマスコミの過熱報道などに問題があるだなどとよく言われてますが、結局改善されることもなく同じ事を何度も繰り返しています。
じゃあどうするのか。もちろんマスコミの報道そのものを変えることも必要かもしれません。しかしマスコミだけに責任を押し付けるのではなく、一人一人が、個人レベルで考え方を改める必要もあるかもしれません。
一番良いのは犯罪そのものを犯さないことなんですけどね。それが出来れば苦労はしません。
とにかく難しい問題です。僕にはうまく答えが出せません。
by sabasuke | 2006-03-29 03:21 | 時事